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富士山での事故事例について~事故に遭わないために~

フジメイトトラベルブログ

富士山での事故事例について~事故に遭わないために~

2016年5月27日 (金)

ハイキング感覚ではダメ!万全の装備と体調でGO!

日本一の山「富士山」は、2013年に世界文化遺産に登録されて以降、ワンシーズンに約30万人の方が登られる大変人気の山となっています。「山ガール」という言葉も生まれるほど、一大ブームとなっている登山ですが、富士山にも気軽な感覚で登ろうとする方が後を絶たず、富士山での事故は年々増加傾向にあります。富士山は標高も高く、さらに周りに山が無い「独立峰」のため天気も非常に変わりやすく、厳しい環境にある山です。スニーカーやジーパンといったハイキング感覚での登山はNG!しっかりとした装備を整えないと、命の危険もある山なのです。そこで、よく報告されている事故事例をピックアップしてご案内します。富士山で起こりやすい事故を事前に知ることで、安全な富士山登山を目指しましょう

事例1.高山病

なんといっても一番多い事例が高山病です。夏山登山の遭難原因の上位は、高山病をはじめとした病気によるもの。標高の高い富士山では体内の酸素が少なくなり、脱力感や頭痛、食欲不振や吐き気といった症状を引き起こします。詳しくは「富士山で心配な高山病について」の記事でご紹介しています。

予防法・対処法

○普段から体を鍛えて運動不足を補う
最低でも登山の一か月くらい前からは、意識的な運動を心がけましょう。日ごろ運動不足だと感じられる方は、帰りの一駅分を歩いてみたり、休日は長い距離を歩いてみる等、手軽なところから始めてみるのもいいかもしれません。

○充分な睡眠と体調管理を
直前での睡眠不足は危険です。前日は早寝をして、しっかりと睡眠をとるようにしましょう。もちろん深酒は厳禁!お酒好きの方も、前日は控えめにしましょう。

○体を高所順応させる
急激な高度変化に体を慣れさせるために、五合目に着いたら約1時間の休憩時間を設けましょう。ガイド/案内人付プランの方は、この順応タイムが初めから設けられています。

○登山中は体を冷やさないように
富士山は標高が上がるにつれてどんどん寒くなります。気温が下がるとそれだけ体力を奪われるので、雨具や防寒着、着替えなどをしっかり準備しましょう。

○ご自分に合ったプランにお申込みを
フジメイトトラベルでご案内している富士登山ツアーは、ガイド付プランからフリープランまで、幅広くご用意しています。ご自分はもちろん、同行者様の体力や登山経験も踏まえてお申込み下さい。

富士山で心配な高山病についてのご案内

事例2.骨折/捻挫

富士山では、転倒して骨折や捻挫をするというケースが多くみられます。転倒する原因としては「不安定な状態の浮き石に足を置いてしまいバランスを崩す」、「体力不足により足の踏ん張りがきかなくなり転倒」などがあります。また、このほとんどが下山中に発生していることから、登頂後の気の緩みも大きな原因といえるでしょう。ゴールまで気を抜かずに

予防法・対処法

○体を保護する服装で参加する
靴は足首まで固定でき、滑りにくい登山靴を履きましょう。服装も長袖・長ズボンを着用し、擦り傷や切り傷などを防ぐように心がけましょう。

○危険な箇所を把握する
登山前に地図や安全指導センターなどで、急斜面や転倒しやすい危険な箇所を事前に調べておきましょう。特に下山道は要注意!

○浮き石を踏まない
登山道や下山道には、グラグラと不安定な状態の「浮き石」が多くあります。パツと見ただけではわかりづらいものもあるので、足元もよく注意しながら歩きましょう。

○ゴールまで気を抜かないように
先ほども記載した通り、下山中の事故が多くなっています。登りと同様にこまめな休憩をとりながら、慎重に下りましょう。下山道には山小屋が存在しないので、そこにも注意を!

事例3.道に迷う

夏場の富士山は基本的に一本道なので、よほど登山道から外れることのない限り、道に迷って遭難まで至るケースはあまり多くありません。それよりも多いのが「仲間とはぐれてしまった」「分岐点を間違えて別ルートを進んでしまった」という事例です。

特に山頂付近でのご来光時には、花火大会のように人であふれかえることもあり、仲間とはぐれてしまったという方を多く見かけます。また、下山時に一か所だけある分岐点を間違えて、登山開始時と反対の静岡県側に下山してしまった、という事例も多く起きています。悪天候など視界の悪い時には特に注意が必要です。

予防法・対処法

○登山道や下山道から外れない
当たり前のことですが、登山道や下山道からは外れずに歩きましょう。分岐点では、地図や案内の看板をよく確認し、間違った方向に進まないように!
※ツアーで利用する登山道は「吉田ルート(山梨県側)」となります。

○グループから離れない
自分が仲間から遅れそうになった時には、一人にならないようにしましょう。ガイド/案内人付プランの方は、先頭から遅れそうな時は小休憩時などにご相談下さい。

○気象状況を把握する
天候が悪くなると霧が発生するなど視界が悪くなるので、荒天が予想される場合にはしっかりと心構えをしましょう。

○緊急時の連絡手段を確保しておく
道に迷ってしまった場合、仲間とはぐれてしまった場合などに備え、緊急時の連絡手段をあらかじめ決めておきましょう。

※実際にあったトラブルとして、ツアー参加者が行方不明となり捜索を行ったところ、道を間違えて静岡県側に下山していたという事例や、お帰りのバス出発時刻になっても下山の確認が取れないため捜索したところ、ツアー会社へ報告なくご自宅に帰宅されていたということがありました。ツアーは団体行動となりますので、勝手な行動はおやめ下さい。初日のバス出発時には、現地での緊急連絡先もご案内しておりますので、現地で何かございましたら随時「緊急連絡先」へのご連絡をお願い致します。

事例4.落石による事故

7月初めの雪解けや梅雨、台風の時期などには、地盤がもろくなり落石の危険性が高まります。また、登山シーズンがピークになる頃には登山道が荒れて浮き石による落石も多くなります。落石に当たらないように注意することはもちろんですが、自分が落石を起こして加害者にならないようにも、注意する必要があります!

予防法・対処法

○危険な箇所を把握する
登山前に地図や安全指導センター、山小屋などで、落石が起こりやすい箇所を事前に調べておきましょう。特に下山道は要注意!

○整備された登山道を歩く
登山道を外れると、もろく崩れやすい場所が多いため、落石の危険性が高まります。登山道からは外れないようにご注意下さい。

○音に注意する
登山中は周囲の音にも耳を傾けましょう。カラカラと小石の崩れるような音が聞こえたら注意!大きな落石への前兆という可能性があります。

○周囲への注意喚起を
落石を発見したり、自分が落石を起こしてしまった場合には「落石!」と大声で周囲に知らせましょう。

○岩陰やくぼみに避難を
落石に気づいたら、岩陰やくぼみに身をかがめるなどして、落石のコースから速やかに避難しましょう。

事例5.低体温症や熱中症

都会では真夏の暑さですが、富士山の山頂は真冬並みの寒さとなります。そこに風雨が重なると体感温度はさらに下がり、低体温症を引き起こすことがあります。一方、快晴が続く場合は気温が上がり、直射日光が降り注ぐので熱中症の危険性もあります。だるさやめまい、頭痛などの症状が出てきたら要注意!

予防法・対処法

○気象に応じた装備を整える
入山前には気象情報を確認し、それに合わせた装備を整えましょう。おすすめの装備品については「富士山にオススメの装備ご案内」の記事をご覧下さい。

○濡れた衣服は着替える
衣服が雨や汗で濡れたら、すぐに着替えましょう。濡れたままでいると、体温低下の原因となります。

○帽子をかぶる・こまめに水分補給を
熱中症を防ぐためにも、帽子は必ずかぶるようにしましょう。また、小休憩などのたびにこまめに水分や塩分を補給するようにしましょう。

○異常を感じたらすぐに手当てを
自分の体は自分が一番よくわかります。体に異常を感じたら無理をせず、すぐに救護所や近くの山小屋で手当てを受け、症状の悪化を防ぎましょう。

事例6.滑落による事故

突風でバランスを崩したり、岩や雪の上で足を滑らせることで、斜面を滑り落ちてしまう滑落事故。骨折などの重傷を負ったり、最悪の場合は頭部損傷などで命を落とすこともあります。残雪のある7月上旬頃や、降雪や凍結の始まる9月に登山をされる場合は、特に注意が必要です。

予防法・対処法

○ルート状況を確認する
滑落事故の起こりやすい危険箇所や崩落箇所が無いか、事前に調べておきましょう。

○体力や技術に合わせた計画を立てる
滑落事故は、下山時や疲れた時に起こりやすいので、体力や登山経験などに合わせたプランでお申込み下さい。

○気象状況を把握する
降雪や凍結、突風が吹きそうな天候や気温の変化が無いか、気象状況をインターネットなどで把握しましょう。

事例7.落雷による事故

落雷事故は、件数としてはあまり多くはありませんが、遭遇すれば即、命にかかわる危険性のある事故です。雷雲の中に入ってしまったら、金属類は体から遠ざけましょう。また、登山道の鉄ピンに落雷する可能性もあるので、近づかないようにしましょう。

予防法・対処法

○気象情報を入手する
雷は地上と上空の気温差が大きいほど、発生しやすくなります。山梨県側の場合は、甲府盆地と富士山山頂の気温差が25度以上になったら要注意です。

○雷に気づいたらすぐ避難を
登山中に積乱雲の発達に気づいたり、ゴロゴロと雷鳴が聞こえ始めたら、速やかに近くの山小屋に避難しましょう。

○金属類を遠ざけ身をかがめる
万が一雷雲の中に入ってしまったら、金属類は体から遠ざけて、岩のくぼみやシェルターなどを利用して避難し、できるだけ低い姿勢で雷雲の通過を待ちましょう。

○鉄ピンやロープに近づかない
登山道には鉄ピンが設置されているところがありますが、そこに落雷する可能性もあります。雷雲が近づいているときは、鉄ピンには近寄らないように。また、鉄ピンにつながっているロープにも、電流が流れる可能性がありますので、触らないようにしましょう。

 

以上が、富士山の登山時に多くみられる事故事例です。厳しい表現も多くあるかと思いますが、富士山は決して楽に歩ける山ではありませんので、あらためて上記のような事故も起こりうるということを、認識していただければ幸いです。他にも、少しでも疑問に思うことなど、ツアー参加前にありましたら、お気軽にお問合せ下さい。富士登山経験のあるスタッフが、親切に対応致します。

 

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